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過去開催の展覧会情報 2020

 
 

聴涛 W460×D460×H425(mm)2019年

聴涛 W460×D460×H425(mm)2019年

崎山 隆之展

崎山 隆之崎山 隆之
 

 
 国内外で高く評価されている陶芸家の崎山隆之さんの「さんしんギャラリー善」では、二回目となる個展を開催します。
 大海原をイメージさせる『聴涛』と題するデザインは、信楽の白い土を用いて、平面の板を組み合わせて立体にする「板作り」によってフォルムを作ります。そこに、繊細で力強い筋を加えると影が生じ、造形に奥行きをもたせ、躍動感溢れる表情が誕生します。二重構造によって生み出された作品は、「外側から流れるように内側に向かう筋、外と中の関連性を持たせたい」という目的で、底から起きた線の集まりがうねって内側に集結する、まるで渦潮を見ているようなデザインが魅力です。
 崎山さんは大学で陶芸、その後、九谷焼を学びます。生まれ育った伊豆の海への思いは強く、西伊豆の黄金崎に築窯し、美しい自然を彷彿とさせる作品を生み出し、主にアートフェアなどへの出品を重ねてきました。愛好家の方々との出会いから、国内外を問わず陶芸への関心の高さを感じたそうです。日本では産地の特徴や器としての使用目的が尊重されますが、用途にとらわれない陶芸、大小にこだわらず、豊かな心を彩るような美術品としての魅力を伝えたいという思いが強くなりました。「見る人が自由に心地よい位置で作品に向かいあってほしい」という事で、作品には正面は作らないという崎山さん。作家の手を離れ、所有した方々が自由に楽しんでほしいとの願いが伝わります。早春の季節にふさわしい清々しい作品をご覧ください。

(文/寺坂厚子)
 
 
聴涛(部分) W590×D570×H440(mm)2019年

聴涛(部分) W590×D570×H440(mm)2019年

 
 
 

菅沼靖幸写真展
崎山 隆之展

菅沼 靖幸菅沼 靖幸

photo/Chisato Akiyama
 
 
いちごジャム
 
 
ヒレかつ
断面が伝える「美食」の世界
 
ハーブチキン
 
 
ココアクリーム

 
 写真を通して、加工食品の断面の美しさの再発見を追求しているグラフィックデザイナー菅沼靖幸さんの個展を開催します。
 グラフィックデザイナーは、写真やイラスト、図版などを用いて社会に様々な情報を発信する仕事ですが、菅沼さんは、その知識、経験を生かした独自の視点で「美食」と題する彩り豊かな写真を発表しています。身近にある「食べ物」の断面に注目した写真は、「中はどのようになっているのだろう」という、素朴な疑問から生まれました。見る人それぞれの五感を刺激し、「美食」の世界に導きます。「これは何?自分も見てみたい」と感じるかもしれません。普段意識しないで食している物に対しての興味が湧き上がります。
 菅沼さんが断面写真を撮り始めたきっかけは、「水平・垂直」という視点で、様々な風景を撮影していたことに遡ります。例えば金属のフェンスの格子を通して見える風景。自然の中の「水平・垂直」を多くの作品として発表していました。それが加工食品の中にある「水平・垂直」と結びつき、その延長として「食べ物」を垂直にカットした写真に取り組みました。「食べるよりも、カットしてみたい」という視点で選んださまざまな「食べ物」。想像ができても、改めて見たことがない「食べ物」。その断面がもつ色彩の美しさ、造形の神秘さを展示します。実際に会場で「美食」のひとときをお楽しみください。

(文/寺坂厚子)

 


誘鳥木(ゆうちょうぼく)の部分

誘鳥木(ゆうちょうぼく)の部分

梅原美喜子展 BOARD ART 白い森

梅原 美喜子梅原 美喜子
 

 
 独創的なBOARD ART(ボードアート)を発表している美術家の梅原美喜子さんの個展を開催します。ベニヤ板に曲線を生かした緻密なカットを施し、それを重ね合わせ、アクリルや胡粉ジェッソなどで白く色付けする。立体的な形には、自然からインスピレーションを受けた作者の思いなどが込められています。
 梅原さんは、幼少期より抽象油画を描いていた叔母様が主宰する絵画教室に通いながら絵に親しみました。多くの美術品を鑑賞するなどの機会も得て、美術家としての基礎を築きます。高校卒業後は、セツモードセミナーに入り、ドローイングなどを学び、パステル抽象画を描いていました。ベニヤ板を用いた作品を手掛けるきっかけとなったのは、「散歩中に、大木の樹皮の欠片を見つけ、その形、層の厚みなどに心惹かれたこと」と語ります。その破片を剥ぐことが楽しくなり、1枚の紙で思いを伝えるのではなく、層で表現する面白さを発見。ベニヤ板を用いたBOARD ARTにたどり着きます。はじめは、板を彫って凹凸で表現していましたが、板を重ねることで厚みが増して影が映えるようになり、平面だけではなく、重なりで生じる影の線の力と出会いました。作品で使用するベニヤ板は、最低、2枚ですが、5~6枚を重ねた作品もあります。配色があると色に心を奪われますが、白い作品は線で表現できる面白さがあり、現在は白を中心として制作しています。ベニヤ板をカットするのは力仕事です。作品を生み出すために様々な工夫を重ね、自在に形を表現できるようになりました。フリーハンドで表現した曲線も必見です。

(文/寺坂厚子)

 

白い平面と黒い影が創る「森」

 

誘鳥木(ゆうちょうぼく) 180×74cm シナベニア、胡粉ジェッソ

誘鳥木(ゆうちょうぼく) 180×74cm シナベニア、胡粉ジェッソ

 

 
椿(自画像)の部分

椿(自画像)の部分

 
 
 
 
 
 
 
撮影/眞野 敦
 
椿(自画像)92×45cm シナベニア、胡粉ジェッソ

椿(自画像)92×45cm シナベニア、胡粉ジェッソ