• Sanshin Gallery Exhibition

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鈴木 竜一朗
鈴木 竜一朗 展
鈴木 竜一朗

撮影/Hiromi Osada

 

 
鈴木 竜一朗

無意識が求める情景

 「近年、各地を訪れて様々な人や場所を撮影してきました。それらを改めて見返した際に、撮影中には意図していない《共通した情景》をとらえているように感じました」と語る、写真家鈴木竜一朗さんの作品展を開催します。

 作品の撮影には、ピールアパートタイプ(引き剥がし式)のポラロイドカメラを用いています。それは、かつて、プロのカメラマンが撮影状態を現場で確認するために使用していたもので、その画像自体に価値が見出されることはありませんでした。このフィルムは、デジタルの発展により生産も減少し、現在ではとても貴重なフィルムになりました。鈴木さんが使用するのはフィルムの通常は破棄する部分です。それを特殊な技法でネガに変化させ、プリントするという手法で作品を生み出しています。いくつもの段階を経て、オリジナル作品が完成します。現在のデジタル画像を見慣れた方には絵画的な印象を受けるかもしれません。この技法ならではの優しい味わいを会場でご覧ください。

(文/寺坂厚子)

次回開催の展覧会情報

見返り美人・深緋001 2018 絹にデジタル染、フォイル、木製パネル W80xL80xD3.0cm

見返り美人・深緋001 2018
絹にデジタル染、フォイル、木製パネル W80xL80xD3.0cm

石井 亨 展
石井 亨

photo by piczo

 

 
BLASTⅠ 2013 絹に糸目友禅染、フォイル、木製パネル W100xL141xD4.4cm

BLASTⅠ 2013
絹に糸目友禅染、フォイル、木製パネル W100xL141xD4.4cm


 
day 100917 2017 絹に糸目友禅染、フォイル、木製パネル W47xL63.3xD5.5cm

day 100917 2017
絹に糸目友禅染、フォイル、木製パネル W47xL63.3xD5.5cm

現代における革新的な伝統工芸の価値を考察したい 石井亨

 日本独自の染織技法である糸目友禅染をデジタルと融合し、新たな芸術の世界を展開している
石井亨さんの作品展を開催します。表紙は石井亨の「見返り美人」図。江戸初期に菱川師宣が描いた「見返り美人」は、当時の最新ファッションスタイルとして注目されました。魅力的な女性の後ろ姿が印象的です。石井さんの「見返り美人」は、糸目友禅染の柔らかな線描写に明るい色調が相まって、時代感覚が伝わります。細部を観ると、模様の中には作者のメッセージも表現されており、アナログとデジタルの融合など、幅広い世界観を感じさせます。
 アーティストとして活躍している石井さんですが、進路を決める頃は、ファッションデザイナーを目指していました。素材となる生地に注目し、大学で染織を学ぶことを選びます。染織には様々な技法があり、その中で糸目友禅染と出会い、約四百年の歴史をもつその自由闊達な表現力に魅了されます。糸目友禅染は、生地に模様を染める際に防染として糊置きをしてから色を挿していきます。
 石井さんの手法は、伝統的な技法のニュアンスを生かしながら、色柄などは現代の様々な情報を取り入れてデジタル技術を駆使して表現しています。また、日々の暮らしや震災などで感じた現代社会のでき事などを反映した作品も発表。アナログとデジタル、過去と現代などを様々な対峙する情報で取り入れた作風を創り上げています。大らかな表現を通して、「現代における革新的な伝統工芸の価値を考察したい」という作者のメッセージを受け止めたいものです。
  

(文/寺坂厚子)